去る2023年11月30日に、子どもの遊び場づくりに関わり、遊ぶ子どもに寄り添い、遊びについて考え続けて40年のプレーワーカー天野秀昭さんを逗子・葉山にお招きしお話会を主催しました。オンラインと会場参加合わせて70名の方々にお申し込み頂き、また会場にお集まりいただいた方の2/3は逗子、葉山、鎌倉、横須賀にお住まいの方々でした。
私が天野さんのお話会を企画したその理由は下記リンク先にも記しているので割愛しますが、「将来生きづらさを抱える大人をこれ以上増やしたくない。そのために親や子どもと関わる大人が絶対に知っておく必要がある内容だから」という一言に尽きます。ゆるりはで出会う今生きづらさを抱えている大人達(私含め)の背景にあるものや、社会の有り様や潮流から、将来生きづらさを抱えるであろう子ども達が既にたくさんいます。そして今後もこのままではどんどん増えていくだろうという危機感は拭えません。
生まれてきてよかったと、幸せを感じて生きる子どもであってほしい。。。
自分で生きる事ができる健やかな身体と自立した精神、そして豊かな心を持つ大人に育ってほしい。。。
子育ちは親育ち。子どもは大人の育ての親です。人として本当の幸せは何かを教えてくれるのも、人(社会人として)として育ててくれるのも子どもという存在。その子ども達の生まれ持った可能性を、大人の価値観や都合で潰したり、邪魔をしたり、削いではなりません。
「やってみたいを邪魔しない」環境づくり
子どもの目の輝きを取り戻す為に、大人自身も自分を生きる喜びを取り戻す為に、天野さんの「遊びの本質」のお話は誰にとっても響くと信じています。
会場のSEE THE SUN、いっぱいの参加者。皆真剣に耳を傾け、メモを取る方も多数。ユーモアいっぱいで温かい天野さんのお話はもっと聞きたい!私自身は5〜6回目でしたが10年前より今の時世に沿った内容になっていると感じました。デジタル・ゲーム・AI・コロナ禍・・・以前にも増して子どもの実体験の機会は本当に少なくなってしまっているのだと痛切に感じます。
お持ちいただいた書籍はあっという間に完売。たくさんの方が天野さんと直接お話しされていました。
メモより記載
- 遊びの本質は、挑戦を繰り返すそのプロセスの中に「遊び」があり、できるできないに価値をおかない。
- 人の命を支える為に必要な菌をきっちり身体に取り込むことが大事。土で遊ぶことを推奨。
- 暮らしの中の「料理」は美味しいか不味い以前に、調理をするというプロセスが大切。
- 暮らしの中からプロセスが失われるということは、知恵や工夫もなくなった。伝える知恵が失われてゆく=伝承文化の消失
- 人の生きる力にとても重要な要素が抜け落ちている
- 遊びを通して関係性ができていく、関係性が変化していく
- 与えられるものにプロセスはない。消費するだけ。自分たちで生み出せるものには全てプロセスがある。
- プロセスを豊かにするのが道具。
- 火が使えると遊びの世界はどんどん広がる
- 遊びは本来創造的だけれど、創造性を発揮する前に破壊が必要。そこから始まる。
- 自分の心と外の世界を繋ぐ五感を育むのが0〜2歳。9歳までに9割が完成するから小学生低学年くらいまでに感覚神経を発達させる。
- だからこそ子どもは基本的に外で育つ必要がある。自然と子どもは相性がいい。
- 屋内は大人が快適にと思って作られた環境。人工空間であったとしても、外には大気もあれば太陽もある。それだけで身体への刺激が違う。
- 待機児童問題解消で0〜2歳は寝てるから屋内でOKなんてとんでもない。外からの刺激に弱い人間になっていく。
- 幼児期に親の言うこと聞いていた子は思春期に問題を起こしてくる。早期教育は意味がない。大人が作ったプログラムをやらせるべきではなく、やりたい事をやらせる。
- 遊び場でいつも同じ空間で遊ぶことで顔見知りができてくる。
- 中高生にもなれば相当色々なことができるのに学校だけ行っている子は守られるだけの存在。
- 遊び場には自分より小さい存在がいる。守る側の存在、頼られる存在になり、役に立てている感覚を得る
- 遊びと遊ぶことは違う。動詞の連続が遊ぶということ。遊びの世界は自分だけのもので他者と共有できない。
- 一人一人のやってみたいという気持ちが表現されていく
- 食べる 寝る 出す 遊ぶ
- 遊ばないと心が死んでいく。心は見えないからわからない、気づかない。
- 見えるものの代表は、成績、数字、基準値を作る。基準は一つ。人は多様なのに。
- ゲームは非常に学校教育的で遊びではない。与えられなきゃできない。与えているのは大人。プログラマーにとっては遊びだが、買ってきたゲームは消費でしかない。
- 基準が一つなのを貧しいと思えるか、思えないか。ナンバーワンは基準がある。オンリーワンにはない。
- 大人の遊びは趣味、分かりやすい。
- 遊ぶと言うことは誰も作れない「私という自分の世界」を作っている。何者でもない私であるには、それができる環境を大人は作るだけ。
- 道具を使う、刃物を使うとケガを負うリスクがあるから集中力がつく
- 道具を使うと知恵と繋がりが広がっていく
- 30年後に失われてる仕事はたくさんあるだろう。変化していく社会の中で子どもの人生に有効なアドバイスなどできやしない。
- どんな状況に直面しても、諦めず自分のやりたい事、自分を生かす力、楽しむ力を見出せるかどうかが大事。
- 教えて育てる側が必要と思っている事を教えるのが教育。
- 遊育はその人が育つ上で必要だから勝手に始める事。外からはその価値はわからない。
- 生きる意味や価値は教えられても、生きている実感は教えられない。だからその子にその子の人生は預けなければならない。
- 大人が手を下せば下すほど、子どもの心を蝕んでいくことになる
- 幼児は、生命体として未熟だからこそ誰が自分の命を握っているのかを見抜く。相手にとって気に入られるように振る舞う。
- 2歳でいい子は生まれている
- あなたはあなたでいいと親が寛容だと、子は問題なくのびのび生きられる
- 褒めることには慎重。なってほしい子ども像の裏返しである可能性が高いから。
以前綴った文章を転記します。
子ども時代に子どもで居られなかった。
子ども時代に「自分」で生きられなかった。
その結果が
「自分で決められない、受け身の人生」
「自分がない自信のなさ」「自己肯定感の低さ」へとつながっていきます。自己肯定感が低く
主体性がない若者が
とても増えている。概ねそうだから
主体的に生きる少数の若者は
注目を浴び、弾き手数多。
各地でオンリーワンで活躍している。
未来は明るいと希望が見える。主体的に生きる大人たちも
やはり自分のフィールドをもち
活躍していて、未来に向けて出来ることに汗を流している。「今だけ、金だけ、自分だけ」という思考ではなく、
自分と社会と自然を切り離す事なく相互依存関係にあり、自他共に幸せな
持続可能な未来の実現という
思考をベースに生きていること。いまを生きてる大人も
思考をシフトしていく必要がある自ら考え
自ら声をあげ
自ら行動できる若者を
もっと増やしていく必要がある主体的に生きる人で構成された社会は
幸福度が上がる自己肯定感や
主体性を育むのに何が余計で、何が邪魔で
何が本当に必要なのかそれをしっかり知って
子どもが育つ環境を
大人は用意する責任がある次世代が育つ環境を
現代の大人が確保する責任がある
今後も、お話し会や語り合いの機会を逗子・葉山で設けていきたいなと思っています。
今回PEATIXのアカウントを作りましたのでフォロー頂けましたら、今後企画した際はご案内が届くと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
https://yulureha.peatix.com