言葉の枠より大事なこと

「愛着障害」や「毒親」という言葉が一般的に聞かれるようになって久しい。
その種の書籍が本屋に並んでからももう15年くらいは経過しているのかもしれない。
近年は「HSP」や「繊細さん」という枠が流行ってるように思う。

生きづらさの原因はどこにあるか。
ゆるりはに繋がる人達の殆どが、
育った環境や親子関係に紐づいてゆくけれど、
こう言った「言葉の枠」に納めることには抵抗がある。

その言葉を口にした時にも、
耳にした時にも、
とてもネガティブな波動を感じ
違和感を覚えるからというのも
私が好んでは使いたくない理由なのかもしれない。

抱える生き辛さの原因が
「親にありそれが宿命」と捉える事は、
ある種必要な「過去の整理」ではあるけれど、
それは回復のプロセスが始まる前の段階。

その自己分析によって、
自分の人生がうまくいかない理由は
永遠に自分の外にあり、
それは永遠に自らの力では取り除けず、
現実は変えられず、
自分は変われないのだという思考から抜け出せなくなり、
生きる力さえ阻害される。
自己犠牲の負のループからも抜け出せなくなる。

その思考から抜け出すのに必要な体験や時間も、
その思考から抜け出した後、
こころを開く段階に進むまでに必要な体験や時間も、
皆違う。

法則のようなものや、共通項はあっても、
やはり人それぞれの歴史があり、
人それぞれの感じ方があるから、
10人いれば10人、皆違う。

受け入れられなかったから
閉じざるを得なかった自分。

閉じたその瞬間はいつだったのか。
3歳、4歳、5歳、小学校低学年、、、。
対話で、あるいは催眠療法で
導き出される答えも、
痛みや傷の深さも、
人によって違う。

「愛着障害」は一概に
「親から愛が注がれなかった」
「親に愛情がなかった」という事ではない。

時々には、
明確に肉体的精神的虐待があったわけでも、
貧困の中にいたわけでもなく、
ひとりぼっちだったわけでも決してないのに
「それなのになぜ?」と思う人もいる。

自己不全は自己責任と思っている人もいる。

養育者のメンタルが不安定だったり
養育者が何度も変わったり
引っ越しが多かったり
兄弟間や他人との差別や比較があったり
行き過ぎた躾や
行き過ぎた教育、
離別や死別も関係する

いろいろなケースがあるけれど
共通するのは、

安心・安全・自由という
育ちの環境がなかったという事実。
故に、自我が確立せず、
安心と信頼の人との関係性を築く事も
その術も身につけられなかった。

故に、対人関係で障害が起きやすい、問題を抱えやすい、
同じ人生のパターンを繰り返しやすいといった
「自分で生きられない不自由さ」に翻弄されていて、
そろそろどうにか抜け出したいと、
心の奥底では、ずっと
「自ら変わりたい」と思っていること。

本当は、自分についている足枷の鍵は
自分で握っていて、いつでも解錠出来る。
けれど、自分の意思では到底解錠出来ないと思い込む。

そういう人もいるかと思う。

 

私自身も翻弄されてきたひとり。
なぜこんなにも空虚感に包まれ、
なぜこんなにも自己不信に陥り、
生きる喜びも、生かされている意味も分からない
それなのに存在している自分に
価値はあるのか、と。

必死にその答えを探し、
授かった子を育てるという
「生きる理由」「命の使い方」が見つかった後、
妻でも、母親でもない、
「セラピストという自分」を目指すことが
私自身の生き直しの道筋だったのだと振り返る。

子育てを通して自分の傷を癒す方法を知るきっかけは、
娘が5歳の時に手にしたこの本だった。

自我が育ち、豊かな心が育まれ、
人と恐ることなく繋がれるようになる為に、
自分には育ちの環境で何が足りなかったのか
そしてどうしたら
自分が抱えてきた生きづらさを
我が子に引き継がずに済むのか

思春期を迎えるずっと前の5歳の時に
この本を手にでき
初めての子育てに対する不安を払拭できたことは
私にとってはとても大きかった

そして、何より、
この10項目の真逆だった環境を
恨むでも悔やむのでもなく
生き抜いてきた自分を認め、
ただただ、自分で労う。

 

 

「愛着障害」に触れる記事を投稿しようと
以前から思いつつ、
なかなか文章として纏まらないままでした。
ハートケアご利用者の方々の課題にも繋がるテーマ。
少し自分自身のことも開示しつつ、綴ってみました。

 

自分の中のネガティブを否定する必要も
そして、ポジティブに上書き保存する必要もない。

絶望の先に、希望があって
悲観の先に、楽観があるのだから。

とことん絶望と悲観に陥った後、

どう転んでも、全部、自分。
自分以外の何者かになんて
なれないと深く思い知り、
この人生を引き受けるしか道はない。

だったら。。。
少しでも、
今より楽に、自由に、
そして、私らしく。




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