「自律神経が原因ですね」
「自律神経失調症かもしれませんね」
「生活習慣を整えて様子をみましょう」
原因が特定できなかったり、検査上の数値では異常がない時に「自律神経」か「ストレス(精神)」か「アレルギー」と着地されてしまうケース。「機能不全な自律神経の問題」と捉えることは間違っていないと思うのですが、「神経の問題」と言っても対症療法として処方できる「自律神経に効く薬」が存在しないので、「体質の問題」にすり替わり漢方薬やビタミン剤が処方されているのかしら……と思わされる節々も。
その辺りの正解がどこにあるのか私にはわかりませんが、「原因不明だけどずっと調子が悪い」という生きづらさを抱えてきている人にとっては切実。「体質の問題」、あるいは「ストレス」にまとめられてしまうのは、一種の絶望にも近い思いではないでしょうか。(※現実にはストレスではなくトラウマとの相関)
自律神経は「生活習慣の改善」によって回復する人と回復できない人がいて、回復できない場合には「生まれつき」か「自分が欠陥なのか」とそう思い込んでしまう人も多いと思います。
近年の脳科学や神経科学では、脳や神経系には環境や体験によって変化し続ける性質があることが分かっています。自律神経の安心の土台は、本来0〜3歳頃の幼少期に作られるものですが、そこで傷ついたからといって諦める必要はありません。神経系は何歳からでも『再発達』できます。私自身が54歳にして育て直したように、腹側迷走神経の回路を太く・新しく育て直すことができるのです。

なぜ「生活習慣の改善」だけでは届かないのか?
早寝早起きをし、食事や栄養を整え、適度な運動をする。これらは身体の基盤を作る上でとても大切なことです。しかし、「原因不明の生きづらさ」や慢性的な不調を抱える方からは、「それらを試してもどうしても楽にならない」という声をよく伺います。
なぜ、長年傷ついてきた自律神経はそれだけでは修復していかないのでしょうか?それは、私たちが無意識に発動させている「過適合(環境に合わせすぎる防衛)」や「慢性的な過緊張」の根っこに、言葉になる前のトラウマや生存戦略が潜んでいるからです。
前編でお話しした通り、幼少期に「世界は危険だ」「自分が我慢しなければ生き残れない」と学習した神経系は、交感神経のアクセルと背側迷走神経のブレーキを同時に踏み続ける「過緊張モード」をデフォルト設定しているので、この状態のまま生活習慣だけを整えようとしても、身体の奥底では交感神経の警戒態勢を解けていきません。
一般的に提唱される「生活習慣」や単なる対症療法では限界で、「なぜ自分はここまで過適合し、緊張し続けなければならなかったのか?」という原因を紐解く事が必要不可欠です。人生の棚卸しをして、自分の歴史を正しく理解し、抑圧してきた感情の正体を知ることで、初めて神経系の緊迫したブレーキが緩み始めます。(トップダウンのケア=伴走型こころの回復ケア)
まず「緊張している自分」を知り、安全な環境を選ぶこと
回復の道筋において、何より大切な第一歩は「あ、私いま緊張しているな」と気づくことです。長年過緊張で生きてきた人は、「緊張している状態」がデフォルトになっているため、自分がリラックスできていないことにすら気がつけていません。(あるいは「これが私」と諦めてしまっているケースも)
* 息が浅くなっている
* 無意識に歯を噛み締めている(特に左下顎や首の前の強張り)
* 人の顔色や場の空気を瞬時に察知しようとしている
こうした身体の微細なサインに気づいてあげること。そして、「自分が安全だと感じられる環境を選択し、違和感のある環境からは距離を置くこと」。神経系は、頭(思考)で「大丈夫」と思い込もうとしても騙せません。空間や人間関係を含めて、物理的・心理的に「ここは警戒しなくていい場所だ」と身体に感じさせてあげることが、腹側迷走神経(安心のスイッチ)を立ち上げる絶対条件になります。

緩む感覚を身体に記憶させる(ソマティックケアと日々の手当て)
頭での理解(トップダウン)と同時に不可欠なのが、身体から直接「安心」を教え直すアプローチ(ボトムアップ・ソマティックケア)です。一度も安心感を知らない神経系には「これが緩む感覚だよ」という身体感覚を何度も繰り返し体験させてあげる必要があります。
そのために有効なのが、定期的に深い緩みを経験し、その感覚を細胞レベルで記憶させていくことです。
私自身のプロセスにおいても、日々のセルフケアとして自分に施す「靈氣(手当て)」は決定的な役割を果たしました。
首の後ろやみぞおち、あるいは噛み締めが起きやすい左下顎や胸へそっと手を当て、体温と手当てのエネルギーを巡らせていく。すると、固まっていた筋膜がふっと緩み、止まっていた腸が動き出し、身体の奥から「あ、いま安全なんだ」という実感が内側に広がっていきます。意識を脳ではなく体感覚に置くという時間を増やすことも有効です。
このように、外からのケアで定期的に深い脱力を経験しつつ、日々のセルフ手当てで身体へ「安心のシグナル」を送り続けること。この積み重ねが、すり減った神経を修復し、腹側迷走神経の回路を太く育てていくのです。(私の場合は完全に自分の腹側は無い状態だったのでそれを補完し生きるのにギリギリ神経を繋ぎ合わせていく為に、日々の靈氣や他のエネルギーヒーリング、週一のマッサージや治療、そして安心の存在であった愛犬アッシュの存在が緩む感覚を完全に忘れない為のシグナルとして機能し続けてくれていたのだと思います。)

4年前の夏、グランドルフィン
(ソウルサウンドライアー)が
私の元へ届いた日。
アッシュが興奮してずっとライアーに興味津々。
彼はいつもゆるりはで
ライアーの音浴に癒され爆寝していました(笑)
自己否定から「自己理解と労わり」へ〜安心の土台を育む〜
自律神経を育て直していく過程で、最も大きな変化は「自分自身との関係性」に現れます。これまで「どうして私はみんなと同じようにできないんだろう」「なぜこんなに疲れやすいんだろう」と自分を責めていた思考が、「そうか、私の自律神経はあの過酷な環境から私を守るために、必死に戦闘モードで戦い続けてくれていたんだな」という深い自己理解へと変わっていきます。
自分を責めるスイッチ(交感神経の緊張)がオフになり、自分という存在そのものを温かく抱きしめられるようになったとき、あなた自身の内側に人生で初めての「絶対的な安全基地(自分の腹側迷走神経の土台)」が完成します。自分の中に安全基地ができると、身体に刻まれていた過去のトラウマや解離していたエネルギーも、安全に解放・解除されていくプロセスへと向かうことができます。
あなたの中にも「安心の回路」は必ず育つ
ゆるりはでお届けしているケアや靈氣。『伴走型こころの回復ケア』で過適合や緊張の原因を安全に紐解き、身体への手当て(ソマティックケアや靈氣)で「緩む感覚」を直接神経系に教え込み、日常での環境設定を共に整えていく・・・。バラバラのものではなく、「傷つき、強張ってきた自律神経を安心の領域へと着地させる」ための一連の回復プロセスです。
どんなに長い間、緊張し続け途方に暮れてきた神経系であったとしても、諦める必要はありません。環境を整え、適切なステップを踏んで身体に「安心」を教え直すことで、人はいつからでも、何歳からでも本来の健やかな働きを取り戻すことができます。
あなたの自律神経も、いつからでも「育て直す」ことができるのです。

おわりに:私が自信を持って「伴走者」として立てる理由
私自身、胎児期からのトラウマから始まり、実に50年もの間、身体の緊張を解くことができない環境の中に生きていました。しかし、環境を整え、自分の生命の主権を取り戻すと決めた54年目に、私の自律神経は確実に育て直されていきました。 「神経系が機能しているってこういう事?!」というのを初めて体感し、感動すら覚えました。(今現在も、絶賛育て直し中です)
苦しかった真っ只中を抜け出し、振り返ってみたとき、自分が試行錯誤して辿ってきた回復への道が、実は現代の最先端のトラウマ治療・神経科学の理論と見事に合致していることに気づきました。 「私のこの50年間も、直近数ヶ月の出来事も、同じように苦しむ方に回復の道を伝えるために必要なプロセスだったのだ」と深く納得し、自分自身の人生を救い出し、光を当てることができています。
長年解けなかった緊張も、適切なステップを踏んで身体に「安心」を教え直すことで、人はいつからでも、何歳からでも本来の健やかさを取り戻すことができるのだ、ということを知りました。今度は、あなたがご自身の人生を救い出し、光を当てる番です。
ご自身の心と身体に向き合いながら、最後まで読んでいただきありがとうございます。 このブログに綴ったことが、長い間「原因不明の生きづらさ」と戦ってきたあなたにとって、「私も楽に生きられるかもしれない」という希望になれたら幸いです。
トラウマケアの理論とゆるりはのケアの整合性については

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