自律神経の状態と「日常あるある」

この画像は、ネットで拾った英語表記だった元画像を和訳したもので、ポリヴェーガル理論(多重迷走神経理論)における「3つの基本状態」と、それらがグラデーションのように重なり合って生まれる「混合状態(スペクトラム)」を視覚化した図です。

自律神経は「オン」か「オフ」かという事では決してなく、3つの神経系がブレンドされることで私たちの日常の行動や心理状態をつくっているということなのですが、最初はパッと見てもわかるようで、わからない(苦笑)

このスペクトラムを理解に落とし込むのに時間がかかりましたが、自信の自律神経の状態と回復のプロセスを俯瞰しながら理解を進められたので、この13の要素がそれぞれ具体的にどのような状態を指すのか整理したら、心身の状態と自律神経の相関に「なるほど〜!」となりました。

基本の3本柱

腹側迷走神経(青):安全・つながり

状態: 心身ともにリラックスしている・他者と安心感を持って関われる・呼吸が安定している・表情も穏やか

交感神経(黄/オレンジ):危険・活動

状態: 危険を察知し、動くだけのエネルギーがある・戦うか逃げるか、いつでも動けるよう備える

背側迷走神経(赤):生命の脅威・停止

状態: 恐怖やストレスに対し、エネルギーを極限まで節約して生き延びようとする・フリーズ

腹側迷走神経× 交感神経のブレンド

図の左側(青〜緑〜黄)の部分。
安心(腹側)を土台にしながら

交感神経のエネルギーを乗せている
ポジティブな混合状態。

つながり(濃い青)

    • 【他者といるとき】親しい友人とカフェで、「うんうん、分かるよ」と頷き合いながら、お互いの気持ちや近況を安心して開示し合っているとき。沈黙が訪れても気まずくなく、一緒にいるだけで心が落ち着くなぁというとき。

    • 【一人のとき】「私の気持ちをそのまま分かってくれている人が世界にいる」と、一人だけど決して孤独ではない深い安心感を感じているとき。綺麗な夕日を見たときに、「これ、あの人にも見せてあげたいな」「後で話そう」と、心の中に大切な人の顔が浮かんで温かい気持ちになっているとき。

楽しむ(明るい青)

    • 【他者といるとき】 趣味の集まりやワークショップで、ワクワクしながら新しい知識や体験に触れているとき。

    • 【一人のとき】 好きな本や音楽に没頭して楽しんでいるとき。推し活に没頭しているとき。

遊び(エメラルドグリーン)

    • 【他者といるとき】 安全安心という信頼のベースがある環境で、無邪気に楽しんでいるとき。子ども同士やペットと戯れあってるとき。

    • 【一人のとき】 あてもなく街歩きを楽しんだり、ヨガの時に自分の身体の声を聴きながら動かしているとき。絵を描いたり、楽器を即興で音を出して遊んでいるとき。

競争(緑)

    • 【他者といるとき】 相手を蹴落とすためではなく、「お互いへの信頼やリスペクト(安心)」があるからこそ、互いの全力を引き出し合って夢中で高め合えている勝負をしているとき。(スポーツの好敵手との試合や、チームで切磋琢磨する企画出しなど)。

    • 【一人のとき】 仕事のプロジェクトや趣味の目標に向けて、とワクワクしながら自分に挑戦しているとき。「自己ベストを更新するぞ!」と、自分の成長を楽しみにしながら挑戦しているとき。

交渉(薄い緑)

    • 【他者といるとき】 「私はこうしたいけれど、あなたはどう思う?」「じゃあ、間を取ってこうしてみようか!」と、お互いの意見を尊重し合いながらアイデアをすり合わせているとき。

    • 【一人のとき】 「旅先でここにも行きたいけれど、予定を詰め込みすぎると途中で疲れてしまうかな?」と、自分の『やりたい気持ち(冒険心)』と『身体の体力(安心感)』のバランスを優しく調整しながら、無理のないワクワクする旅のスケジュールを具体的に組み立てているとき。

交感神経× 背側迷走神経のブレンド


図の右側(黄〜オレンジ〜赤)の部分。
危険や脅威を感じ、防衛本能が強く働いている状態。

懐柔(黄色)

  • 【他者といるとき】その場の空気を壊すのが怖くて、本心を隠して「いいですよ!」と取り繕っているとき(自己防衛のための過適合)。
  • 【一人のとき】気の乗らないお誘いの連絡に「早く返事しなきゃだけどなんて断ろう」と焦り、気乗りしない自分に罪悪感を抱えてモヤモヤしているとき。

逃走(薄いオレンジ)

  • 【他者といるとき】不穏な空気や苦手な人が近づいてきたとき、目を合わせないようにしてその場から立ち去ったり、話題を強引に変えようとするとき。
  • 【一人のとき】やらなきゃいけない仕事や家事があるのに、現実逃避して、だらだらとスマホを見続けてしまうとき。

闘争(濃いオレンジ)

  • 【他者といるとき】理不尽な言い方をされてカッとなり、思わず強い言葉で言い返してしまうとき。
  • 【一人のとき】何か思い通りにいかないとき、「キーッ!」となって物に当たってしまうとき。

凍りつき(フリーズ)(朱色)

  • 【他者といるとき】大勢の前で突然発言を求められたり、予想外の指摘をされて「頭が真っ白」になり固まってしまうとき。
  • 【一人のとき】緊張する予定や外出先から帰ってきた途端動けなくなるとき。あるいは呆然として立ち尽くしてしまうとき。(刺激過多でのフリーズ)。

シャットダウン(薄い赤)

  • 【他者といるとき】相手から激しく責められたりショックな言葉を受け続け、途中から感情も感覚もフッと消えて、相手の声が遠くの雑音のように聞こえるとき。
  • 【一人のとき】限界を超えて働き・気を使い続けた後、泥のように崩れ落ち、感情も判らないほど感覚が麻痺して動けないとき(ブレーカーが完全に落ちた状態)。

腹側迷走神経× 背側迷走神経のブレンド

図の下側(紫〜茶)の部分。「動かない(背側)」けど、
そこに「安心(腹側)」が掛け合わさることで、
静かで深いリラックスした状態。

回復(青紫)

  • 【他者といるとき】 気の置けない相手と、会話が途切れても気まずくなく、お互いに同じ空間で好きな本を読んだりぼーっと寛いでいるとき。

  • 【一人のとき】 温かいお湯につかって「はぁーっ」と深い溜息が出たり、ベッドで横になって脱力してエネルギーを充電しているとき。

親密(赤紫)

  • 【他者といるとき】 パートナーや信頼できる家族と静かに抱き合ったり、大好きなペットや赤ちゃんを抱っこしながら、お互いの体温を感じ合っているとき。
  • 【一人のとき】 ポカポカ陽気の部屋で、肌触りのいいタオルにくるまりながら「気持ちいい」と微睡んでいるとき。

背側懐柔(茶色)

  • 【他者といるとき】 信頼できるセラピストや整体師に身体を預け、と全身の力を抜いて委ねきっているとき。

  • 【一人のとき】 波の音や風の揺らぎ、ライアーの音やアロマの香りに全身で浸り、自分と世界との境界線が溶けていくような深い静寂と一体感を味わっているとき。瞑想をしている時に大いなるものに完全に委ね、境界線が溶けているとき。

神経系の状態× 心身の状態

自律神経との相関を深く読み解いていくと、ご自分の心身の状態の認知が進むので、傷ついた神経系が主体性を取り戻して自然養生していくという道筋が拓けていくと思います。

3本の神経の柱とそのグラデーションのどのあたりが一番自分は発動していて、どのあたりが発動していないのか、あるいは欠落している部分はないか、日常どの状態であることが多いのか、ぜひご自身の思考パターンや行動パターンと照らし合わせてみてください。身体の仕組みについて「認知」することで、身体そのものに「回復スイッチ」が入りやすくなると思います。

からだの症状として出ている部分も、精神の症状として出ている部分にも、双方に関係しているのが神経系と内分泌系。それはとても野生的な部分で、脳の領域を遥に超えているなという印象です。近年、解明できない「原因不明」とされる病が増えていること、以前のように治っていかない病が増えていることは、生活環境と生活様式から脳神経、自律神経、恒常性、内分泌系・・・それらへの不具合が生じているからではないかと推測します。だとすれば、今後私が幾世で展開していきたい養生民泊あるいは自然養生プログラムに特化した宿泊プログラムは、非常に最先端でこれから必要なものであるに違いないと確信します。(と、自分に言い聞かせています 笑)

実際に神経系が発達して、自然養生していくそのプロセスにどのくらいの時間が必要なのか、身体への直接のアプローチの可能性とそのタイミングについても臨床の中での気づきがあるので、またそれについてもブログに綴っていきたいと思っています。




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