私は、0-1歳の乳児が母子同一と脳が判断している時期において、母と子のアタッチメントは特に重要という思いがとても強くあります。母である必要はないのではないか、一対一の関係性なら良いのではないかというご意見ももちろんあります。それは正しいと思います。血縁も関係ないと思います。ですが、自分自身の経験からも、ゆるりはで出会う人たちの経験からも、そしてこの時期に健全な愛着形成ができずに大人になり、今なお生きづらさの最中にいながらも、その生きづらさの根本原因が愛着形成に起因するということにさえ気がついてないという方がおられる、というのも現実です。
子どもの一生に大きく関わっていく「愛着」のこと。だからこそ、様々な大人の事情や社会環境によって、乳幼児期の母子のアタッチメント形成が軽視されてしまうのは、非常に危ういと言わざるを得ません。
とはいえ、私たち人間には「再生」の力が備わっています。成長の過程で愛着が健全に形成されなかったとしても、愛着の再構築は可能です。その後の人生でどんな大人と出会うか。子どもの心は、安心と安全を感じられる環境と、一緒に過ごしてくれる信頼できる大人と共に育まれていくものだから。たとえ乳幼児期に十分な愛着が形成されなかったとしても、関わる大人たちによってその子どもの未来は変わっていきます。
ゆるりはの本棚においてるこちらの本は、子どもの支援や保育に携わる、暮らしに近い環境で子どもと接する事のできる大人はどう子どもを見守っていくといいか、その指南書となる一冊です。
『子どものこころは大人と育つ:
アタッチメント理論とメンタライジング』
(篠原郁子 著)
「メンタライジング(心の状態を想像する力)」を通して、子どもとの間に愛着をどう再構築していったらいいか、その具体的なプロセスを説いています。同時に、支援する側の大人が自分自身の心の動きに気づくことの大切さにも触れています。大人が自分自身の感情をコントロールできなかったら、子どもの安全基地はなるのは難しいですよね。子どもの心に寄りそう伴走者として、まず大人である自分の心の状態を把握することの大切さを説いています。大人に愛着の課題や境界線の課題があるような場合に陥りやすいケースやリスクについても触れているので、ご自身の理解やケアにも繋がるかと思います。
つい私たちは、子どもを目の前に「子どもの声」や「子どもの心」を「大人の心」でジャッジして「何をすればいいか」という手法に偏ってしまったり、察するだけではなく、介入してしまうんですよね。そして子どもも大人も、望んでないのに疲弊してしまう。本当に大切なのは、大人がそこにどう存在しているか。愛着形成の課題を抱えた子どもは(大人も然りですが)、緊張が身体に染み付いています。どのような大人の在り方や眼差しが、その緊張を解きほぐし、子どもの脳や心の回復へと繋がるのか。そのヒントが得られるかもしれません。
関わる大人が緩み、関わる大人が自分の心を解きほぐすこと。「大人と子どもの間に適切な境界線を引くこと」こそが、結果として「大人が子どもの安全基地になる」という気づきを得ることが肝要です。




















