自分ができることは
他人もできて当たり前
他人ができることは
自分もできて当たり前
そう思わされる世界では
できないという現実を
そのままに受け入れては貰えず
できるようになる必要があると
できないのは自分に問題ありと
思い込まされる
できない自分は
もしかしたら普通ではなく
もしかしたら欠陥があって
もしかしたら異質なのではと
「みんな同じに思い、考え、行動する」
答えが一つしかない教育と
「苦手も得意にするための努力を課す」
という教育が故に
自己評価による無価値観を拭うべく
自分以外の自分で生きようと
一生懸命な人がなんと多い世の中なのか
自ら多大な無理と努力を強いて
できない自分も
自信のない自分も隠し
社会に受け入れられ
社会に認められるに値する
本当の自分ではない
理想の自分になろうとする
自分の力量以上の何かに
常に追い込まれ
社会に寛容になれるはずもなく
自分に寛容でなければ
他者に寛容であれるはずもない
そして内なる攻撃性は
自分にも他者にも向かう
呪縛と期待と
かつて子どもだった大人も
今の子どもたちも
みな苦しんでいる